2016年 03月 09日
☆ポピーちゃんの思い出☆
内科は「神経内分泌・泌尿器科」「循環器・消化器科」「腫瘍・血液科」という三つの科に分かれていて、その時は「消化器科」の研修医1年目。
使役犬として活躍していたラブラドール・レトリバーの「ポピーちゃん」と出会いました
どうも下痢が続く・・ということで、ユーザーさんのもとを離れ、診察に来ていたのですが、、、
血液検査やエコー、レントゲン、内視鏡、CTとあらゆる検査をして・・・
腸のガンである「消化器型リンパ腫」と、肝臓の病気「肝内微小血管異形成」という病気が見つかりました
どちらも大変な病気。しかも、この子が「使役犬」という特殊な立場にいて、この状況だと行き場がなく。
安楽死も選択肢の一つでした
ただ、ポピーちゃん自身はまだ元気もやる気もある子だったので、
う~~~ん・・・・・・と、当時の上の先生方と悩み・・・
結局、私が引き取って看取ることにしました
当初はアパート(動物禁止でしたが、大家さんに相談したら、そういう事情だったら・・・と快くOKして下さいました。)
から、二人で通勤しましたが、
だんだんとポピーちゃんの体力も落ちてきたため、最後は実家で一緒に介護生活となりました
日中は母が投薬や点滴、おトイレのお世話、夜は私が注射、私のいない時は父がおしっこをさせたり、、、
「今日はこの豚肉食べた!」と言えば豚肉を1パック茹でて、結局初めの一口しか食べずにがっかりしたり、
冷蔵庫にあったチーズをあげたら一口食べた!と喜んだり、一喜一憂の毎日^^;
「なんとなく食べたい気はスルけど、ボクいまはソレの気分じゃないんだ」
というポピーちゃんのために、とりあえず、冷蔵庫にあるものは片っ端からあげていきました
実家のふぁーらちゃんは、ポピーちゃんの点滴が羨ましくって、、背中にテープだけ貼って貰って、満足してます笑
飲み薬も、最低限のものだけにして、無理には飲ませず(本当は飲ませるべきですが)、
今日はコレをこの位食べて、オシッコはこれくらいして、、と家族で記録を取り、みんながポピーちゃん中心の生活でした
辛いだけの人生(犬生?)だったら、安楽死も考えましたが、
そんな生活の中でも、
私が帰ると尻尾を振って迎えてくれて、頭をスリスリして甘えてくれたり、
外に出ると気持ちよさそうにしていたりして・・・今でも、いい思い出です
忘れられないのが、ポピーちゃんの、何が一番嬉しくって楽しいことなのかな・・・
と、いろいろ試したら、
“コマンド”を出すと、すごく尻尾を振っていい笑顔になっていたこと。
sit =お座り、down=伏せ、stay=待て、one、two=ウンチ&オシッコ、take=取って、chair=空いている席を探して、good=ヨシ、、、などなど、
もう働かなくてもいいんだよ!と思いましたが、そのコマンドを出してあげると、
得意げな顔で、目をキラキラさせて、とっても嬉しそうで、
その顔が忘れられません。
全くの寝たきりになったのは最後2~3日、夜中もずっと家族で付き添い、最期もちゃんと私が帰るのを待ってくれました。
賛否両論あるかとは思いますが、ポピーちゃんの喜ぶ顔を見られたので、引き取って、少しだけでも頑張って闘病してくれて、良かったなぁと思っています。
一緒に暮らして思ったのは、闘病生活って大変ですが、その中でも楽しいことって絶対あるんだなってこと、
治療法も、治療するしないも色々あって、どうしてあげたらいいのか悩みますが、その子のことをみんなで考えて出した結論なら、どれも正解ってこと、
わんちゃん、ねこちゃんはやっぱり、飼い主さんが喜んでくれるのが嬉しいってこと
ただ一つ、最期まで家族の一員として見捨てないであげるべきってこと…
ポピーちゃんが亡くなってからずっと、写真や遺品、闘病日記を見ることはできませんでしたが、らぁくんにぼるとくん、ふわりちゃんと新しい子たちが来てようやく、見ることができました。
やっと、いい思い出にできたかな~なんて思ったりもします。
やっぱり、亡くした辛さは新しい子たちしか癒やせませんね。
ポピーちゃん、みてるかな??
また会いたいなぁ。
大学病院にて