2012年 04月 19日
退院祝い!!!
読んでくださっている方、スイマセン。。。
ここ5日間、夜も副院長とプチローテーションを組んで入院の子を見まわっていたので、
なかなか更新できず(>_<)
5日前、夜、緊急手術したラブラドールのラブちゃん。
何度か、ラブちゃんと、同居猫さんのアイリちゃんとは診察でお会いしていました。
そのラブちゃんが、食後、動いた後、吐きたくても吐けず、苦しんで駆け回っているとのお電話でした。
ラブちゃんのお父様は、
「朝一番で受診するから、今家でできる応急処置があれば教えてもらえませんか」
ということをおっしゃいました。
でも、お話を聞いていると、どうも、ちょっとした胃炎ではなさそうで。
もし、胃捻転だったら・・・
いつもラブちゃんを診せていただいているし、
すぐ来ていただき、こちらで注射など打たせて下さいとお伝えし、
来て頂けることになりました。
ラブちゃんは、来た時には、意識がもうろうとして、起き上がれない状態でした。
おなかはパンパン。
多分胃捻転しちゃってる。
この状態じゃオペしてももたないかもしれない。
一瞬いろんなことを考えたけれど、レントゲンをとって、お父様とお母様に、事実をお伝えしました。
苦しみ始めた数時間前から、「胃拡張・胃捻転症候群」という状態だったと思われること。
今、本人はショック状態に陥っていて、かなり危険な状態であること。
このままだと間違いなく亡くなってしまうこと。
解決法は緊急手術しかないが、救命率は低い病気であること。
お父様とお母様のお返事は、一言、
「お願いします」
でした。
器具の滅菌などはすでに始めていたので、点滴をして、
すぐに緊急手術が始まりました。
胃捻転とは、胃が拡張してコロンとねじれてしまう病気です。
胃がパンパンにふくれ、胃やその他の臓器が壊死してしまったり、
大きな血管を圧迫して不整脈が出たり、
毒素がどんどん産生されたり、
おそろしい



ラブちゃんも、胃はパンパンで、私が今まで見た胃捻転の中でも一番どす黒く、ひどくなっていました。
あちこちの血管がちぎれて出血していました。
モニターでは、不整脈がビシバシ出ていました。
手術は何とかのりきってくれました。
その日の夜ものりきってくれました。
次の日は、ぐったりして起きられず、血小板が乱れ、できうるかぎりのモニターと治療を行いました。
お父様とお母様も、毎日、朝と夜、面会に来てくださいました。
その次の日。
パタパタと尻尾をふってくれるようになりました。
さらにその次の日。
ワンワン吠えて飛びついてくるようになりました

でもまだ、私たちは、病気に伴う血栓が心配で、安静に安静に・・・・・
と思っていましたが、回復がめざましく、
私たちを見ると飛びついたりぶつかったりご飯がほしくてとびあがったり・・・笑
めでたく昨日退院しました




らぶちゃ~ん!!
回復してくれてありがとう!!!
今日、トッテモ元気に過ごしているとお電話をいただきました。
一安心です。
今日は、もう一人、入院していた赤ちゃん(犬の)も退院し、
プチ打ち上げで、久々のビールで(院長だけ)かんぱい☆

今日で、開院して1カ月になります。
1か月の間にも、動物たちの病気がなおり元気になって連絡を下さった方々がたくさんいます。
本当に、ひとつひとつの命と向き合うことの大切さ、
そして、動物たちと、ご家族たちの、幸せな生活を取り戻すサポートができる喜び、
いろんな思いでいっぱいです。
そして、この1カ月でも、助けることのできなかった命もあります。
往診したり、電話で相談したり、飼い主様と、動物さんの関係を、日に日によく知ることとなり、
何とか助けてあげたくて、
それでも、医療の限界が来る時。
せつない思いでいっぱいになります。
「この子は亡くなってしまったけど、この5日間、この子ととてもいい時間を過ごすことができました。
ありがとう」
と、飼い主さまがあいさつに来て下さり、思わず涙することもありました。
この1カ月、みなさまに出会えてよかったです。
みなさまが信頼して大事なペットたちを任せてくださること、とても光栄です。
これからも、副院長とともに、情熱を持って診療にあたりたいと思っています。
そのへんで見かけたら、ぜひお声をおかけください

私たちも、私の犬たちも、喜びます

さいごに。
今回この手術の麻酔管理にご協力いただいた、私の後輩の大田原由紀子先生に、
大感謝です。