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らむ動物病院日誌@蓮田市です!

発作のこと。

先日、うちのハスキーくんの発作に関してのブログを書きましたが・・・
今回はその「発作」について、簡単に説明させていただきます。

008.gifウチの子、年に2~3回発作を起こすんです~
008.gif前に、「てんかん」って言われたのですが、発作が起きたらどうしたらいいのですか??

という方が結構いらっしゃるので、参考にしていただければと思います。

〇まず、発作ってどういうものでしょうか?

横に倒れて手足をばたつかせる全身的なもの、唇や手の一部分だけ痙攣する部分的なもの、急にふらっと気を失って倒れてしまうものなど原因によって色んな発作があります。

発作の前後で、そわそわして落ち着かない、普段と違う声で鳴くといった前兆、発作が治まっても目が見えない、よだれをたらしている等の症状があることも。

発作を起こすきっかけ(シャンプー、気候変動など)がある場合もあるので、発作持ちの子は記録を付けて頂くと対処しやすいかと思います。

以前診た子で、「爪が全て折れるまで部屋中を駆け回る」というネコさんや、「寝ているときに突然飛びあがって机にぶつかったり、いきなり壁に突進する」というわんちゃんもいました。
「特発性てんかん(MRI等で明らかな異常がない、先天的な脳の病気・・・というより性質みたいなものです。治療が必要ないこともあります)」と診断しましたが、中にはこんな発作もあるのです。

〇次に、大切なのは、その“発作”が、治療するべきなのか、様子をみていても大丈夫なのか、の判断です。
一言で発作と言っても原因も症状も様々なので、一度動物病院で相談してみてください。
発作持ちの子は、どういう発作なのか、一回の発作は何分続き、頻度はどのくらい(一日に何回、一カ月に何回・・・等)であるか、症状は日に日に悪化しているのか、それとも昔から変わらないのか、といったことををきちんと把握しておいて下さいね。
発作が起きているときはとても長く感じるので、正確に時計を見て測って下さい。

それによって、①しばらく様子を見る ②検査をする ③投薬する、などの方針を飼い主さんと一緒に考えていきます。
検査をするのは、発作の原因によって治療が変わるため現状の把握、予後の予測をするためです034.gif
まずは本人に負担の少ない血液検査やレントゲン検査を行います。
異常が見つかれば、それに対する治療を行い、異常がなければ、脳の病気を考えてMRI検査に進むこともあります。
MRI検査を行うのは、脳の病気があるかどうかをはっきりさせるためで、今後の治療方針もたてやすくなるので、麻酔のリスク、費用や時間的負担がクリアできるならばおススメしています。
因みにMRI検査は大学病院や検査センターに紹介させていただいて、全身麻酔下で行います。


〇では、お家で発作が起きたらどうすればいいのか?
まずは慌てず、見守ることです。発作時は本人の意識がないことが多く、その時に間違って噛まれてしまうと、制御が効かないためとても危険です。
ただ、痙攣して周囲のものにぶつかって目や足を怪我しやすいので、そっとタオルでくるんだり、周りのものを避けたり、といった対応をしてあげてください。
数分で治まってら、落ち着いて病院に連絡して下さい。

必要があれば検査をしたり、お薬を飲んで貰います。

5~10分たっても治まらないときや、短くても一日に何度も発作を起こす場合は病院に連絡するか、すぐに連れてきてくださいね。
本人にかなりの負担になってしまうので、発作止めの処置を行います。
あまり長く続くと後遺症が残る場合や、命に関わる危険性もあります。
お家でできる、発作止めの座薬もあるので、心配な場合は前もって病院で処方して貰うのも一つです。


〇長くなりましたが・・・

発作は薬で治る、または頻度・程度が軽くできてうまく付き合っていける場合と、命に関わる病気が隠れていてる場合とがあり、
それをはっきりさせるために検査が必要なこと、

発作が長く続いたり、何度も起きる場合は命を落とす場合もあること

を頭の片隅に置いておいてくださいね。


因みにまーしゃくんは、食欲がなくなって少しぼーっとしてくるのが発作の前兆で、発作が治まるとしばらく変な声で鳴いています。。。


診察中ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、暖かく見守ってやってください056.gif

発作のこと。_c0245679_12461320.jpg

by ramu-ah | 2012-11-24 12:35 | 診療