2014年 02月 15日
口の中の腫瘍の手術。
すごい天気ですが・・・
羽生選手、金メダル、感動でしたね!!!
被災地のためにって、メダルの重圧をはねのけて見事優勝、すばらしすぎます。
メダルをとれなかった選手も、何せオリンピックに出るだけですごいので、
全力をだして最後まで競技に参加してこれからの糧にしてくれればいいな~と思います☆
さてさて今日は、手術のお話。ひさびさに・・・(汗)最近ウチの子の話ばっかりだったからね・・・
お口の中の腫瘍は、なかなか難しいです。
まず、発見しづらいということ。
口の中を開けてすみからすみまで見ることって、
毎日一緒に暮らしている飼い主様でも、なかなかないですよね。
嫌がってしまうことが一番の理由かな?
次に、見つかったとしても、検査が難しい。
口の中なので、動いてしまうと、針生検の針が目などにささってしまうと危ないので、
針生検をしたくても、麻酔をかけないとできないことが多いのです。
(モチロン、無麻酔でできることもあります)
さらに、見つかった時には、進行していることが多い。
見付かるタイミングとしては、
・お口から血が出る
・お口が臭うようになった
・顔が腫れてきた
という主訴でいらっしゃる方が多いと思います。
その時には、もうかなり広範囲に浸潤していることが多いのです。
口の中の腫瘍って、どんなの?
つまり、いつもは唇にかくれていて、
こんな黒くて大きい腫瘍ができていても、唇をめくってみないと見つけられません。
これは、メラノーマ(悪性黒色腫)という、あっという間に肺に転移してしまう、とても悪性の腫瘍です。
2センチを超えると手術してもすぐ転移するので、手術しない方が良いと言われていますが、
この子は、この腫瘍からかなり出血をしていて、本人も口を気にしてご飯が食べられず、
今現在の生活の質を上げるために、手術をしました。
17歳という、とても高齢のワンちゃんだったので、顎の骨までは切除せず、しこりだけをとりました。
高齢のため、腫瘍の進行が遅いということもあるかもしれませんが、今は転移も再発もなく、元気にしてくれています!!!
ヨカッタ!!!!
やっぱり、病気って、「絶対」はない!と思いました。
これは、唇をめくるだけでは見つからず、口をかぱっと開けないと見つかりません。
棘細胞性エナメル上皮腫という、やっぱり悪いタイプの腫瘍です。
この子は、CTをとったところ、目に見える部分だけでなく、顎の骨の中にも、腫瘍が入り込んでいました。
ただ、幸い、手術で、顎の骨を半分とってしまうことで、腫瘍を全てとりきれて、
術後1年半たちますが、元気にすごしてくれています。
顎の骨をとってしまう、ということに、すごくショックを受けられる方が多いですが、
見た目は、あまりかわりません。
ワンちゃんの場合は、ごはんも食べられ、以前とかわらない生活もおくることができます!
ただ、切除する場所によっては、舌が出やすかったりはします。
トリミングにもきてくれているので、facebookにもちょこちょこ登場しますが、
イイ笑顔☆
少し下顎がずれていますが、見た目、ほとんどかわらないですよね。
左下の顎の、真ん中の部分を切除してあります。
幸い、前の方には浸潤していなかったので、前の方の顎の骨は温存することができました。
ちなみになんと、この子のお口の腫瘍は、たまたまフロントラインを付けにらむ動物病院に来て頂いた時に、
私たちが口をのぞいたら見つかったんですね~(^^)v
よかった!!ほんとに!!!!
口の中の腫瘍は、悪性のものが多いので、発見は、早ければ早いほどいいですが、
なかなか口の奥まで見られないことも多いですね。
今、子犬さん、子ネコさんを飼われている方は、いまからお口をみる練習をしておいてくださいね☆
ちなみに、良性のこともあります。
検査に出してみないとわからないので、もし、気になるものを見つけた方は、お早めにご相談を!
あくびの時に毎回口をのぞくのもいいですね♪
これは、ぼるとのあくび。
ん~、口の隅々まで見えます・・・デッカイあくび・・・